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高尿酸血症 UP-TO-DATE

高尿酸血症 UP-TO-DATE編集協力 HealthDay

VOL.6

尿酸値が低いと脳卒中死亡リスクが上昇か?
久山町研究データを分析

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以前より、血清尿酸値が高いことは脳卒中および冠動脈疾患(CHD)による死亡のリスク因子とみなされてきたが、尿酸値が低い場合にも、脳卒中による死亡リスクが上昇する可能性があることが、久山町研究データの分析から分かった。研究を実施した九州大学大学院医学研究院衛生・公衆衛生学の坂田智子氏らは「この結果は、尿酸に脳保護作用がある可能性を示唆するものだ」と述べている。研究結果の詳細は「Hypertension Research」1月17日オンライン版に掲載された。

これまでの研究で、高尿酸血症は、高血圧や糖尿病、肥満、メタボリックシンドローム、腎不全、飲酒といった心血管リスク因子との関連が報告されており、心血管疾患(CVD)のリスク因子である可能性が指摘されている。一方で、プリン体の最終産物である尿酸は抗酸化作用や神経保護作用を有するとの報告もあり、尿酸値が低いこともCVDリスクと関連する可能性が示されている。

このように、血清尿酸値とCVDリスクとの関連については、これまでの研究で一貫した結果は得られていなかった。そこで、坂田氏らは今回、日本人の一般住民を対象とした前向き研究として知られる「久山町研究」のデータを用いて、血清尿酸値とCVDによる死亡リスクとの関連について調べた。

研究では、CVD(脳卒中やCHDを含む)による死亡のリスクを評価すべく、CVD既往歴のない40歳以上の地域住民2,633例を19年間追跡。まず、これら対象者を男女別とし、ベースライン時に測定した血清尿酸値の5分位数によりそれぞれ5群に分けた。追跡期間中に235例がCVDにより死亡した(うち、脳卒中による死亡が84例、CHDによる死亡が53例)。

次に、性・年齢を含む交絡因子を調整して解析したところ、CVDによる死亡リスクは、Q3群(尿酸値中央群)と比べてQ1群(最低群)およびQ5群(最高群)のいずれも高いことが分かった〔Q3群を1とした場合のハザード比(HR)はそれぞれ、Q1群1.50(95%信頼区間0.94~2.39)、Q2群1.06(同0.66~1.72)、Q4群1.44(同0.93~2.23)、Q5群1.89(同1.23~2.91、P<0.01)〕。

このようなU字型の関連性は、脳卒中でも同様に認められたが〔Q3群に対するHRはQ1群3.26(同1.29~8.25、P<0.05)、Q2群2.21(同0.85-5.73)、Q4群2.65(同1.07~6.58、P<0.05)、Q5群3.77(同1.54~9.24、P<0.01)〕、CHDに関してはQ5群のみに有意なリスク上昇が見られた〔HRはQ1群1.27(同0.46~3.50)、Q5群2.53(同1.03~6.18、P<0.05)〕。

これらの結果を踏まえ、坂田氏らは「わが国の地域住民において、尿酸高値は、脳卒中およびCHDによる死亡の有意なリスク因子であることが示された一方で、低値は脳卒中死亡のリスク因子であることも示された」と結論。その上で「尿酸には脳保護作用がある可能性を示唆するもので、尿酸がCVDによる死亡に及ぼす影響は、問題となる臓器で異なる可能性も示された。今後、さらなる研究でこの結果を検証する必要がある」と述べている。

(編集協力HealthDay)