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高尿酸血症 UP-TO-DATE編集協力 HealthDay

VOL.8

心血管代謝疾患リスクが最小となる血清尿酸値を男女別に推定
健診データを利用した日本人5年間のコホート研究

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日本人の一般集団を対象とした5年間コホート研究から、心血管代謝疾患の発症リスクが最小となる血清尿酸(UA)値は、男性では5mg/dL未満、女性では2~4mg/dLと推定されることを、虎ノ門病院(東京都)集中治療科の桑原政成氏らが「Journal of Clinical Medicine」3月30日オンライン版に発表した。

UA値と心血管代謝疾患の発症リスクとの関係が、Jカーブ曲線になるという報告はあるが、一般集団における至適レベルや、これら疾患の発症リスクを最も小さくするUA値は明らかになっていない。桑原氏らは今回、UA値と心血管代謝疾患の発症リスクとの間にJカーブの関係があるか、またこれらの発症リスクが最小となるようなUA値を明らかにすべく、一般集団を対象としたコホート研究を実施した。

聖路加国際病院(東京都)予防医療センターの2004年及び2009年の検診データより30~85歳の男女1万3,070例(平均年齢51.1±11.3歳、男性6,367例、女性6,733例)を研究対象とした。ベースライン時のUA値1mg/dLごとの高血圧、糖尿病、脂質異常症、慢性腎臓病(CKD)の有病率を男女別に算出した。次に、UA値が1mg/dL変化するごとに各疾患のリスクがどの程度変化するか(オッズ比)を推定した。

更に、ベースライン時に有病者を除外し、またJカーブ曲線の影響を除くため、低UA値例(男性3mg/dL未満、30例;女性2mg/dL未満、15例)も除外した上で、2009年までの発症状況から、年齢やBMIなど複数の因子を調整してロジスティック回帰分析を行った。その結果、UA値が低いことは糖尿病を除いて、高血圧、脂質異常症、CKDが発症しないことの独立した予測因子であった。高血圧、脂質異常症、CKDを発症しない、UA値の1mg/dL低下ごとのオッズ比は、男性ではそれぞれ1.153(95%信頼区間1.068~1.245)、1.164(同1.077~1.258)、1.226(同1.152~1.306)であり、女性ではそれぞれ1.306(同1.169~1.459)、1.121(同1.022~1.230)、1.424(同1.311~1.547)であった。

次に、低UA値例を、UA値が正常範囲(男性3~5mg/dL、女性2~4mg/dL)の対象者と比較した結果、女性では低UA値例がCKD(オッズ比4.052、同1.181~13.90)や高血圧(4.532、同0.943~21.78)のリスクが高まる傾向を示したが、男性ではこのような関連は認められなかった。

以上の結果から、桑原氏らは「今回は低UA値例が少なかったため、Jカーブ現象が存在するか否か、厳密な判断はできなかった。しかし、正常範囲であっても、UA値が高いことは高血圧や脂質異常症、CKD発症のリスクとなり得る。また、これら疾患の発症リスクを考慮すると、一般集団におけるUA値の至適レベルは、男性では5mg/dL未満、女性では2~4mg/dLと推定される」と結論づけている。今回の研究結果から、UA値の検査をプライマリケアの場で定期的に行っていくことが、心血管代謝疾患の発症を予測するのに役立つのではないかと述べている。

(編集協力HealthDay)