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高尿酸血症 UP-TO-DATE

高尿酸血症 UP-TO-DATE編集協力 HealthDay

VOL.13

高尿酸血症は大動脈疾患関連死に関与/
日本人の地域住民コホート研究で判明

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わが国の地域住民を対象とした大規模なコホート研究から、高尿酸血症は、大動脈疾患(aortic disease;AD)関連死の重要なリスク因子である可能性が示されたと、山形大学医学部附属病院第一内科の大瀧陽一郎氏らが、「Scientific Reports」2020年8月31日オンライン版に報告した。

医学がこれほど進歩したにもかかわらず、大動脈解離や大動脈瘤破裂といったADの致死率は、いまだに極めて高い。ところが、ADの有病率は低いため、前向きコホート研究が十分に実施されておらず、AD関連死のリスク因子は明らかになっていない。一方、日本では、食生活の欧米化とともに、高尿酸血症は公衆衛生上の課題として注目を集めており、最近では、脳卒中や心血管疾患、死亡との関連が相次いで報告されている。そこで今回、大瀧氏らは、日本人の一般集団において、高尿酸血症がAD関連死のリスク因子であるか否かを検討するため、地域住民を対象としたコホート研究を行った。

対象は、2008年から2013年の間に16都道府県の特定健診・特定保健指導に参加した40~74歳の成人男女474,725人(男性203,087人、女性271,638人)。参加者全体の平均血清尿酸値は5.3mg/dLだった。高尿酸血症(血清尿酸値7.0mg/dL超と定義)の有病率は、全体では11%(51,157人)であり、男性では22%、女性では2%であった。

観察は前向きに1,803,955人年行った(追跡期間中央値3.8年)。この間に、115人がADにより死亡した。カプランマイヤー法による解析の結果、高尿酸血症を有する対象者では、有さない対象者と比べてAD関連死亡率が有意に高かった(P<0.0001、ログランク検定)。また、対象者を血清尿酸値により8つの群(≦3mg/dL、3.1‐4mg/dL、4.1‐5mg/dL、5.1‐6mg/dL、6.1‐7mg/dL、7.1‐8mg/dL、8.1‐9mg/dL、>9mg/dL)に分けてAD関連死亡率を比較したところ、AD関連死亡率は血清尿酸値の上昇とともに増加しており、両者の間にJカーブ現象は認められなかった。

さらに、多変量Cox比例ハザード回帰分析により、AD関連死のリスク因子である年齢や性、高血圧、喫煙習慣、心血管疾患の既往、脳血管疾患の既往、eGFRなどを調整した結果、高尿酸血症のハザード比は1.166(95%信頼区間1.012~1.34、P=0.0340)と有意であったことから、高尿酸血症は、一般集団におけるAD関連死の独立したリスク因子であると考えられた。上記のAD関連死のリスク因子を使ったモデルと、これに高尿酸血症を追加したモデルとを比較したところ、後者で統計モデルの再分類能力を表す指数であるNRI(net reclassification index)が向上した(NRI 0.2092、95%信頼区間0.0266〜0.3918、P=0.0247)。

以上の結果を踏まえて、大瀧氏らは「今回のコホート研究から、高尿酸血症は、一般集団におけるAD関連死の独立したリスク因子であることが初めて明らかになった」と結論。その上で、「ADによる突然死を予防するためには、高尿酸血症は治療対象になる可能性がある」と付け加えている。

(編集協力HealthDay)